猫をタクシーに乗せられるかは、「乗せてよいか」よりも先にどのかたちで乗せるかで決まります。一般のタクシーは動物の車内持込みを原則として禁じたうえで「愛玩用の小動物」などを除いていますが、その線引きが法令にも通達にも示されていないため、判断は事業者ごとに分かれるからです。

そして猫の場合は、そこにもうひとつキャリーから出さずに運べるかという条件が重なります。犬と一番違うのがここです。

条文そのものの構造は犬・猫は普通のタクシーに乗せられるか(法令と約款で確認できること)で原文を引用して整理しました。この記事は、そこから先の猫の話に絞ります。

1. 猫を運ぶときの注意点は、公的な資料にも書かれている

環境省の『災害、あなたとペットは大丈夫? 人とペットの災害対策ガイドライン〈一般飼い主編〉』(2018年9月発行・環境省自然環境局総務課動物愛護管理室)は、災害のときにペットと一緒に避難するための資料です。タクシーの話ではありません。ただ、猫を連れて動くときに何をするかが具体的に書かれています。

「同行避難する際の準備例」で猫について挙げられているのは、次の3つです。

猫の場合
□ キャリーバッグやケージに入れる
□ キャリーバッグなどの扉が開いて猫が逸走しないようにガムテープなどで固定するとよい
□ 避難用品を持って指定緊急避難場所へ向かう

持ち出し用品の一覧でも、キャリーバッグやケージに「猫や小動物には避難時に欠かせないアイテム」という注記が付いています。日頃の準備としては「ケージなどの中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく」が挙げられています。

同じ資料の犬の欄は、リードを付けること、首輪の緩み・鑑札・狂犬病予防注射済票を確認することが先に来ます。猫の欄は、キャリーに入れることと、その扉が開かないようにすることに割かれています。

つまり猫を運ぶ場面では、「乗せられるかどうか」の前に「外に出さずに運べる状態を作れるかどうか」が問題になります。車のドアを開け閉めするたび、荷物を積み替えるたびに、同じ場面がやってきます。移動そのものより、その途中で出てしまうことのほうが備えの対象になっている、と読み取れます。

2. 予約のときに伝えると早い、猫の4つ

一般のタクシーでも、ペット送迎の車でも、先に伝えておくと話が早いのは次の4つです。

  1. キャリーの種類と大きさ — ハードタイプかソフトタイプか、外寸はどのくらいか。置き場所と固定のしかたが決まります
  2. 扉の向きと、固定のしかた — 上開きか横開きか。環境省の資料が「扉が開いて逸走しないように」と書いている部分です
  3. 頭数と、キャリーの数 — 2匹を1つのキャリーに入れるのか、別々にするのか
  4. 付き添う方の人数 — 座席の使い方が変わります

「猫を乗せてもらえますか」ではなく、「このキャリーのまま、このかたちで乗せられますか」と聞くと、返ってくる答えが具体的になります。

3. 当店の場合、猫はどう乗るのか

ペットタクシーCOCOタク横浜港北店は、動物を運ぶことを前提に届出をして走っている車です。対応している動物について、当店のよくあるご質問にはこう書いています。

Q. 犬や猫以外のペットでも大丈夫ですか?
A. はい。法的に愛玩飼養が禁止されていないペットであれば種類を問わずご利用いただけます。

「どんな動物でも」ではなく、法的に愛玩飼養が禁止されていない種類という限定つきの書き方です。猫はこの中に入ります。

猫を預けるときに気になること当店の場合
対応している動物法的に愛玩飼養が禁止されていない種類なら種類を問わず
頭数と付き添い大きさによりますが2〜3頭まで/付き添いは1〜3名まで
車内のかたち後部座席・ケージ・ドライブボックスを、大きさや性格に合わせて車両側で調整
持ち込めるものお気に入りのお布団やタオル。長距離のご案内では、愛用の食器やおもちゃ、いつも使っているペットキャリーの携行もおすすめしています
車内の状態完全禁煙。運行前と運行後に洗浄・殺菌
後部ハッチを開けた荷室に設置した、マットを敷いたケージ
荷室に設置したケージ
後部座席に置いた黒いドライブボックスと、カバーを掛けた座席
後部座席に置いたドライブボックス

ケージを設置した車内の写真は専用車両と車内の設備に掲載しています。

車内のかたちは車両の側で用意します。使い慣れたキャリーをそのまま使いたいキャリーごと置ける場所がほしいといったご希望があれば、ご予約の際にお知らせください。伺ってから車内を整えます。

4. 猫が2匹以上いるとき

頭数の上限は、匹数だけでは決まりません。当店のご案内は「ペットの大きさによってかわりますが2〜3頭は大丈夫です」という書き方で、大きさとの組み合わせで判断しています。付き添いの方は1〜3名まで同乗いただけます。

猫を複数でお願いされるときは、頭数と一緒にキャリーの数をお知らせください。1つにまとめるか分けるかで、車内に必要な場所が変わります。

5. ワクチンと健康状態の確認

当店は、狂犬病ワクチン・混合ワクチンを接種されていないペットのご利用をお断りしています。

このうち狂犬病の予防注射については、狂犬病予防法 第5条第1項が「犬の所有者」に対し、毎年1回受けさせることを義務づけています。猫の場合にどの接種の証明が必要になるかは、ご予約の際にお問い合わせください。

このほか、次の場合はお受けできないことがあります。

  • ひどく汚れている、人を咬むなど危険がある、ケージからの出し入れが困難な場合
  • 怪我や病気の療養中など、健康状態から輸送が難しいと判断される場合

条件の全文はご利用の注意事項に掲載しています。

よくあるご質問

Q. タクシーに猫は乗せられますか?

A. 一般のタクシーでは、動物の車内持込みが原則として禁じられたうえで「愛玩用の小動物」などが除かれており、その範囲に法令上の定義がないため、事業者ごとの判断になります(条文の確認はこちらの記事にまとめています)。当店はペット送迎に対応した専用車で、猫もご利用いただけます。

Q. 猫はキャリーに入れたままタクシーに乗せられますか?

A. 一般のタクシーでは車両の設備によります。当店は後部座席・ケージ・ドライブボックスを大きさや性格に合わせて調整しますので、ご希望の乗車のかたちをご予約の際にお知らせください。

Q. 猫を2〜3匹まとめてお願いできますか?

A. 大きさによりますが2〜3頭まで、付き添いは1〜3名までご案内しています。キャリーの数もあわせてお伝えいただけると、車内の準備がしやすくなります。

ご利用までの流れはご利用の流れ、そのほかのご質問はよくあるご質問にまとめています。ご相談はお問い合わせフォームからお受けしています。

参考にした資料(いずれも2026年7月28日に原文を確認)

この記事について

執筆・監修: 近藤誠巳(ペットタクシーCOCOタク横浜港北店 代表)/拠点: 横浜市神奈川区松見町

法令は改正されることがあります。個別の運送の可否は各事業者にご確認ください。