車も免許もない場合、動物病院までの手段は大きく4つです。家族や知人の車/電車・バス/一般のタクシー/ペット送迎専用の車(レンタカーとカーシェアは運転免許が前提のため、免許をお持ちでなければ選べません)。
このうち電車・バスは、鉄道・バス事業者が「容器に入れること」と「容器を含めた重量の上限」を規定で定めています。つまり最初に確かめるのは行き先ではなく、その子の体重です。ここで選べる手段が絞られます。
1. 電車・バスは「容器に入るか」と「容器ごと何キロか」で決まる
小動物を車内に持ち込める条件は、事業者ごとに定められています。当店の対応エリアを走る3つについて、それぞれの公式の案内から確認しました(2026年7月28日時点)。
| 事業者 | 容器の条件 | 重量の上限 |
|---|---|---|
| 東急電鉄 | 縦・横・高さの合計が120センチメートル以内の専用の容器に入れる。頭や足など一部が容器の外に出るようなものは持ち込めない | 容器に収納した重量が10キログラム以内 |
| 横浜市営地下鉄 | 容器(ケージなど)に入れ、頭や体の一部でも容器から出ないこと。スリングタイプは全身が隠れるものであっても不可 | 容器を含めた総重量が20キログラム以内 |
| 横浜市営バス | 完全なケースに入れてある場合のみ。頭や足などが容器の外に出るものは不可。スリングは蓋つきでも持ち込めない | ペットだけの重量の定めは示されていない(手回り品全体で30キログラム以内) |
いずれも「小さくて、容器に完全に収まる動物」を想定した条件です。ここから2つのことが分かります。
ひとつめ。23キログラムの犬は、上の2つの鉄道のどちらでも重量の上限を超えます。 10キログラムにも20キログラムにも届きません。体重だけで、鉄道という選択肢が消えます。
ふたつめ。上限内であっても、容器の条件が同時にかかります。 頭も足も外に出ないケージやキャリーに入り、そのまま静かにしていられること。抱っこ紐やスリングは、全身が隠れるタイプでも認められていません。
なお、身体障害者補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)はこの条件の外です。横浜市営地下鉄は「大型犬であっても同伴することができます」(身体障害者補助犬法に定める表示を行っている場合に限る)と明記し、横浜市営バスも「盲導犬や介助犬はそのままご乗車いただけます」としています。
条件は事業者ごとに違います。上の3つ以外の路線をお使いになる場合は、その会社の案内で確認してください。
2. 規定を満たしても、「持って歩けるか」は別の問題
10キログラム、20キログラムという上限は、容器ごと人が持ち上げて運ぶことを前提にした数字です。ここで効いてくるのは、動物の体重ではなく、飼い主側の条件になります。
11キログラムの犬でも、キャリーの重さを足せば15キログラム前後になります。それを持って、駅の階段を上がり、改札を通り、乗り換え、病院までの道を歩き、待合室で順番を待つ。その間はずっと、両手が塞がっています。
規定の条件を満たしているかどうかとは別に、「その重さを、その距離、自分ひとりで運べるか」を先に確かめておいてください。ここが合わないまま予定を組むと、出発の直前で行き詰まります。
体重が10キログラムを超えたあたりから、確認する項目は「乗せてもらえるか」ではなく「運べるか・乗せられるか」に移ります。次の2つは、その先の話です。
3. 一般のタクシーは「愛玩用の小動物」に当たるかで分かれる
一般のタクシーでは、動物の車内持込みが旅客自動車運送事業運輸規則 第52条第14号で原則として禁止され、そこから補助犬・これと同等の能力を有すると認められる犬・愛玩用の小動物の3つが除かれています。
この「愛玩用の小動物」の範囲には、法令にも通達にも定義がありません。だから同じ犬でも大きさによって判断が分かれ、大型犬が「小動物」に当たるとは限りません。
条文の全文と、運送約款の側にある「当該運送に適する設備がないとき」という条件については、犬・猫は普通のタクシーに乗せられる?法令と約款で確認できることで原文を確認しています。
4. ペット送迎専用の車は、乗り降りから用意されている
体重で手段が絞られたあとに残るのが、動物を運ぶことを前提に届出をして走っている車です。ペットタクシーCOCOタク横浜港北店が用意しているのは、次のものです。
- 乗り降り: 専用のペットスロープを完備しています。大型犬やご高齢のワンちゃんも無理なく乗り降りでき、足腰に不安のある子にも使えます
- 車内: 小型犬から大型犬まで、大きさや性格に合わせて後部座席やケージを調整します。お気に入りのお布団やタオルをお持ちいただくこともできます
- 付き添い: 飼い主様も一緒に同乗できます。付き添いは1〜3名まで、頭数はペットの大きさによりますが2〜3頭までです
- 車内の状態: 運行前と運行後に洗浄・殺菌しています。車内は完全禁煙です
スロープと車内の写真は専用車両と車内の設備に掲載しています。抱え上げる場面そのものを減らす、というのがスロープの役割です。
対応している範囲は対応エリアに、費用の考え方は料金表に記載しています。
5. ご予約のときに伝えていただきたいこと
先に伺っておくと、車内の準備を合わせられます。
| 伝えること | 何が変わるか |
|---|---|
| 動物の種類と、おおよその体重 | 後部座席で乗せるか、ケージやドライブボックスを使うかが変わります |
| 乗り降りにスロープが要るか | スロープを出した状態でお迎えに上がれます |
| 頭数と、付き添う人数 | 座席の割り振りが変わります |
| お手持ちのキャリー・ケージを使うか | 車内側で用意するものが変わります |
出発までのご準備としては、次の3つをお願いしています。
- 乗車の前に、軽いお散歩を済ませておいてください(排尿・排便のためです)
- 使い慣れたキャリー、食器、おもちゃはお持ちいただけます
- 車に酔いやすい子は、あらかじめかかりつけの獣医師に酔い止めについて相談しておく方法もあります
6. お受けできない場合もあります
- 狂犬病ワクチン・混合ワクチンが未接種のペット
- ひどく汚れている、人を咬むなど危険がある、ケージからの出し入れが困難な場合
- 怪我や病気の療養中など、健康状態から輸送が難しいと判断される場合
その他の条件はご利用の注意事項に、お申し込みからお支払いまでの流れはご利用の流れに記載しています。
よくあるご質問
Q. タクシーに大型犬は乗せられますか?
A. 一般のタクシーでは、大型犬が法令上の「愛玩用の小動物」に当たるとは限らないため、事業者の判断になります。当店はペット送迎の専用車両で、小型犬から大型犬まで対応しています。乗り降りには専用のペットスロープを使います。
Q. 一般タクシーにペットを乗せることはできますか?
A. 法令は動物の持込みを原則禁止としたうえで3つを除いており、そのうちの「愛玩用の小動物」に当たるかどうかで分かれます。「小動物」の線引きは示されていないため、事業者ごとの判断になります。条文は上の「3.」でご案内した記事にまとめています。
Q. 猫を病院に連れて行くとき、トイレはどうしたらいいですか?
A. 当店の車内では、乗車中のおもらしや季節の抜け毛は気にせずご乗車いただけます。車内は運行前と運行後に洗浄・殺菌しています。犬の場合は、乗車の前に軽いお散歩(排尿・排便のため)をお願いしています。
ご相談はお問い合わせフォームからお受けしています。
参考にした公式の案内・法令(いずれも2026年7月28日に原文を確認)
この記事について
執筆・監修: 近藤誠巳(ペットタクシーCOCOタク横浜港北店 代表)/拠点: 横浜市神奈川区松見町
各社の規定・法令は改定されることがあります。ご利用の際は、各事業者の最新の案内をご確認ください。